佐藤比香理(New York Magic)の短期留学!

今回New York Magicに所属し、約2ヶ月半アメリカに滞在して私なりの価値観や考え方が少し変わった。それは2ヶ月半というある程度の期間滞在したからこそ感じることができたのだと思う。
最初は、フィジカル・スピード・高さのあるアメリカ人になかなか対応できず、チームの変わったやり方に慣れるのにも時間がかかった。ほとんどが日本と正反対で、私が日本でやっているプレーをここでやっても通用しない、使ってもらえないということを最初に感じた。丁寧にパスをつないで、完全に崩しきって点を取ろうとする日本のサッカーに対して、形にこだわらず、どんな場所からもどんな態勢からでもシュートをねらうアメリカのサッカー。この違いに最初は戸惑ったけれど、慣れ始めるとこの違いを楽しめるようになっていた。日本人の、また私自身の長所でもある、テクニック・スタミナ・豊富な知識を活かしつつこのチームのサッカーに馴染むことを常に考えていた。できるだけ早くそれをしたかったけれど、1ヶ月ほどかかってしまったのはコミュニケーション不足が大きかったと思う。言葉がなくてもプレーで示せばいいと思っていたけれど、それだけではやっぱりうまくいかないということを強く感じた。日本でコミュニケーションの大切さを監督やコーチから何度も教わるように、アメリカでも同じように重要なもののひとつであって、なくてはならないもの。それはサッカーの中だけでなく、日常生活の中でもそうだと思う。監督が私に求めているプレーが分からない、私の考えていることが監督やチームメイトに伝わらない、こんな状況であれば日本であったとしても絶対うまくいかないはず。将来、大学であれプロチームであれ海外でプレーしたいと思うならコミュニケーションだけはとれる状態で挑むべきだと思った。ただ今回は、他の日本人の方たちのサポートがあったからチームの戦術や監督の考えを理解することができて、試合にも出ることができた。本当に感謝してもしきれない。
この2ヶ月半の間に、アメリカのサッカーを知り、アメリカのサッカーに慣れ、そして課題を見つけて帰ることを目標にしていたけれど、それは十分達成できた。これからの課題は、もっと汚いプレーをするということ。わざとファールで止めるのもひとつの戦術、時間稼ぎもひとつの戦術、相手がされて嫌なことを最大限にする。それをするのがアメリカの選手はうまいなとすごく感じた。それから自分の意見をもっと主張するということ。アメリカ人は堂々としていて自信があって、自分がこうと思ったことは相手が監督であろうが年上であろうが迷わず伝える。それが言い過ぎな時もあるし、間違っている時もあるけれど、伝えるということが何より大切なのだと思う。日本人は相手にどう思われるかとかを気にし過ぎていて、なかなか意見を主張できない。こういった部分ではアメリカ人を見習うべきじゃないかなと感じた。
私がこんな良い経験をできたのもたくさんの人の協力があったからで、本当に感謝しなければならない。そういった人たちを裏切らないためにも、アメリカでの経験をこれからに活かしていきたい。日本にいては感じることのできないことばかりで、本当にサッカー留学をしてよかったと思う。でもこの経験を本当に良いものにできるかどうかはこれからの自分次第だと思うので、日本でも努力を惜しまずに頑張りたい。

ひかり