野田直美(FC Tulsa Spirit)2013 summer league レポ

American International Collegeに所属している野田直美です。

私は夏の間、Oklahoma州のTulsa(オクラホマ州タルサ)というところでWPSLのチームでプレーさせて頂きました。

私ともう一人ブリッジプレーヤーであるTexas州の学校に所属している志方英香選手も偶然一緒になりました。今回初めてアメリカのクラブチームでプレーをさせていただくことになりましたが、私の所属する大学同様、このチームも色んな国の選手が参加していて、アメリカのチームならではの魅力だなと改めて感じました。
また、チームにはスポンサーがしっかりついていて、州外から来る選手のために家などを提供して下さったため、州外からも選手が集まってきて、尚且つ、アメリカ人をはじめ、メキシコ、ブラジル、ナイジェリア、日本など、とても多国籍なチーム編成になっていました。
そんな中でもチームの戦略は「少ないタッチ数でパスをつないで崩すパスサッカー」で、毎日の練習メニューからそれが徹底されていたため、チーム内の意思統一などは比較的しやすかったと思います。公式戦初日までにチームが合流してから2週間しかなかったため、初めのうちはチームでの朝のコンディショニング(主に走り)、夕方に通常の練習という形でなかなかハードなスケジュールでした。


10か月、大学で英語やサッカーに奮闘してから、今回の新たなチームに参加してみて実感できたことは、10か月前に大学のサッカー部に合流したときはコーチやチームメイトの話す英語を全く理解できなかったけれど、今回は英語で遅れをとるということを感じることはあまりなく、少しばかりの英語力の進歩、新しい環境に身を置いたことでこれほど実感できたことに感動しました(笑)。
しかし、個人的に今まで以上に困難だったこともありました。
第一に気候。タルサは私が普段生活しているマサチューセッツ州とは違い、もっと南に位置していて、とても気温が高く、蒸し暑いため、チームに合流した当初は毎回熱中症のような症状に悩まされていました。練習は夕方〜夜でしたが、タルサは夜9時ごろまで明るく、気温も下がらず日中と同じで常に35度程度で暑いときは40度を超えるといった調子でした。涼しかったマサチューセッツ州の気候に慣れていて、5月の下旬からいきなりこのような気候になったためなかなか体が順応しませんでした。熱中症対策として、日中の暑い時間帯に長い距離を走ること、練習前にアイスで体を冷やすことなどを繰り返すうちに、なんとか熱中症の症状は消えていきました。

第二に、家の件について。チームの提供して下さった家はインターネットの環境がなく、夏の間にオンラインのクラスが3つあったため、WiFiスッポトのあるところに毎日通わなくてはならなかったことです。また、チームメイト9人で一つの家をシェアしていたため、異文化から、留学生の“よくあるルームメイト問題”にも直面しました。
第三に、週末の試合の移動とスケジュールです。チームの所属するリージョンはオクラホマ州テキサス州などのチームから編成されていて、Awayの試合ではこのとても大きな2州を週末移動するのに、試合前、9時間のドライブ移動などがあったこと。そしてそれだけ離れているので、土日続けて試合が組まれている、またオクラホマ州などその近辺特融の気候、竜巻などの影響で試合が延期になるなど、日本ではあまり経験したことがなく、すごくアメリカンだなあという感想を持ちました。

最後は、監督にもっと汚いプレーを要求されたことでした。「君はいい人すぎる。それは選手としてよくない。ユニフォームをつかんででも相手を地面に突き倒せ!それが、相手が自分たちにしてくることだ。」こんな風に監督はチームに何度も話されました。練習でもわざとユニフォームを引っ張って1対1の局面を乗り切る練習もあり、明らかなファールをしても、「これはサッカーだ」といって、それを選手に求めていました。はじめのうちは明らかなファールに対して違和感や抵抗がありましたが、それくらいの気迫を見せろと求めているのだと理解できるようになり、今まで以上の違和感や抵抗がなくなり、チームメイトのずる賢さなどにももっと目がいくようになり、選手として自分自身の足りない部分において良い勉強ができたと思います。

最後に、このチームは監督もイランから移住されたということもあり、監督、コーチ、スポンサーの方々をはじめ、多くの方々がとても精力的に地元の選手のみならず州外や国外からきた選手のことをとても気遣って下さっていたことが印象的で、夏の間、新しい経験をさせていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。オクラホマ州での新たな出会いや繋がり、そしてこの夏の経験を大学に帰って活かしていきたいと思います。