NCAA Women Coaches Academy (かなぴー)

girlsoccer2006-12-18

NCAA (National College Athletic Association: 大学体育連盟) がスポンサーとなり、コロラド州デンバーで5日間にわたってNCAA Women Coaches Academyが行われました。
数ヶ月前に、アメリカ中から何百という応募があった中、25人の参加者に選出された私は、日本人女性ではもちろんアジア人女性でも(アメリカ生まれのアジア人を除いて)おそらく初めての参加 (証拠はありませんが)ということで、“マイノリティーであることも時には良いことがある”とその機会を楽しんできました。

学校スポーツの男女平等を保証する法律、“タイトルナイン(Title IX)” が制定された1972年には90%以上の女性スポーツチームの指導者(コーチ)が女性でした。しかし、その法律の効果で女性競技者が目覚ましく増える一方、女性スポーツチームの女性指導者(コーチ)の数が大幅に減少しています。 NCAA 2002年のデータではたった44%の女性チームが女性を指導者としているのでした。NCAA Women Coaches Academyは、 NCAA がこの問題に焦点を当て、“女性スポーツ指導者(コーチ)の教育とネットワーク作り”を目的とした女性スポーツ指導者講習会です。

このアカデミーに参加し、第一の収穫として上げられることは、アメリカの女性スポーツに大きく貢献した偉大な女性スポーツのリーダー達の話を直接聞くことができたばかりでなく、彼女達と一対一で話をする機会があったこと。例えば、女性初の NCAAディレクターJudy Sweet 、タイトルナインの立役者Christine Grant とCharlotte West、NACWAA (National Association of Collegiate Women Athletics Administrators)からは Jennifer Alleyと Annette Lynch、NCAA を代表してKaren Morrisonなどなど。(全員の名前を挙げたいのですがこのくらいしておきます、笑)食事などを通して、アメリカの女性スポーツがどのようにして発展してしたか、現在のアメリカ女性スポーツ界が抱える問題、そしてレクチャーでは聞けない裏話など、貴重な話を聞くことができました。もちろん連絡先もしっかりゲットし、今後も積極的に交流していく予定(笑)。

アカデミーの日程は、朝から晩まで講義やアクティブティーがびっしり。アメリカで女性スポーツ指導者(コーチ)としてキャリアを積んでいくために必要な知識や技術について細かく指導を受けたり(例えば、女性スポーツの歴史&法律、コミュニケーション、リクルーティング、スポーツ哲学、マネジメント、コーチ学)、現在アメリカ女性スポーツ界が抱える問題や個人の経験など(例えば、人種問題、多様性、対立解決)について発表や討論をしたりとかなり内容の濃い5日間でした。

所属するスミス大学に戻った私は、スポーツ界の女性リーダーとしての自覚を認識し、その強い意志を持って日本とアメリカ(そして世界)の女性スポーツ界の発展のために勉学、指導、研究、サッカーに励もうと更にモチベーションを高めるのでした。